ハッキョ中心にした豊かな静岡同胞社会を目指して(朝青静岡・宋一さん)
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ウリハッキョの大切さ
同胞たちと共有したい
金個人として、人生の目標は?
宋ずっと同胞社会で活動したいです。できれば専任で。僕のこういう気持ちを育ててくれたのはハッキョなので、一人でも多くの人がハッキョに希望を持てるような状況を作っていきたいです。静岡同胞社会の中心にいつもハッキョがあるという、本来の姿を取り戻したいです。
数年前まで北海道のハッキョで体育の先生をしていた藤代先生が、今、静岡のJFAアカデミーにいらして、日本人の眼から見たウリハッキョについて講演してもらったことがあるのですが、その時に、「変わるべきはウリハッキョではなくて同胞たちです」とおっしゃるのを聞いて、本当にそうだなと思いました。もちろんウリハッキョも時代のニーズに応じて変わらなくてはいけない部分もあるのでしょうが、同胞たちのウリハッキョに対する視線が、僕が生徒の頃と比べても厳しくなっているというか。
金どういうふうに変わるべきだと?
宋ハッキョで子どもたちが朝鮮人として育っているという部分をもっとポジティブにとらえて、一緒に育てているという思いで見られたらいいなと思います。本来なら国家がすることを組織が、同胞たちがしているわけで、その大切さを今一度共有できたらいいなと思います。
金ずっと静岡でやっていきたい?
宋そうしたいです。できれば静岡の同胞社会を盛り上げていきたいです。
金朝大を卒業するときは静岡を希望していたのですか?
宋はい。
金本部に活動家は何人いるのですか?
宋総連委員長と、女性同盟委員長と僕の三人です。
金近い年代から学ぶチャンスは多くないですね。朝青の役員たちは?
宋本部の役員が僕以外に三人いて、各支部に委員長がいます。中部と西部の委員長、副委員長は僕より二つ上で、東部支部は日本の学校を卒業した一つ上の先輩です。先輩たちなので信頼しているし、彼らも信頼してくれていると思います。
金下の世代は?
宋徐々にですかね。卒業生の人数が少ないうえに、県内にとどまる人が少なくて。それでも各年代に少なくても一人ずつは静岡に残っているので。ハッキョには朝青年代の教員もいます。
長野も愛知朝高学区で、朝青は非専任です。同胞数は静岡より少ないはずなのに、青商会・保護者世代が強くてああして盛り上がっていて、うらやましいし、朝青の専任活動家がいるのに負けていられないという思いがあります。どうやっているのか学びたいです。
金最後に再建された西部支部の浜松には昔ハッキョもありましたよね。
宋浜松に対象者はいるのですが、同胞社会は沈滞気味です。浜松のハッキョが一九九四年に静岡のハッキョに合併されて、今の朝青世代に、浜松ハッキョの卒業生はもういません。幼稚園に通っていたというトンムが朝青世代で、今静岡のハッキョで教員をしています。
金今浜松から通学している生徒はいるのですか?
宋初級部に兄弟二人がいます。新幹線通学をしています。
金合併とはいえ、初級部の児童が簡単に通える距離ではなかったのですね。
宋在来線で一時間二〇分ほどかかります。今の静岡ハッキョの在校生数は、浜松ハッキョが合併された頃よりも少ないです。児童生徒が減少して同胞たちから「本当に守ろうと思っているのか」という声が聞こえてくることもあります。同胞たちを納得させるだけの具体的な展望を示せないでいることが歯がゆいです。55周年に向けて教育会など同胞たちが直接かかわるシステムを作って、同胞とハッキョと組織が足並みをそろえてハッキョを守っていけるようにできればいいと考えています。
奈良ハッキョが再開するときのビデオを今年二月の朝青の役員会で見たのですが、あのビデオの中で、ハッキョ創設者の名簿を見ると二十代三十代の若い人が多かったそうです。「ハッキョを無くすなんて、口に出すもんじゃない」というのが役員たちの感想でした。気持ちだけじゃ何もできないと言われますが。
青年強国を
肌で実感
金最近ウリナラに行きましたか?
宋二〇一六年八月にウリナラに行って金日成金正日主義青年同盟の第九回大会に参加しました。リョミョン(黎明)通りの現場で一緒に汗を流したりもして。ウリナラが青年強国だということを本当に実感しました。大会には金正恩委員長も参加したのですが、金委員長の青年に対する期待と信頼、それに応えようとする青年たちの意気込みを肌で感じました。会場に一万人くらいの青年が集まって、大会が始まる前から歌を歌って盛り上がっているのですが、想像がつかないくらいの熱気で、会場に入ったとたんに圧倒されました。
ウリナラにはウェサムチョン(オモニの兄)がいて、その親戚たちとは日本にいる親戚よりも親しくしています。ウェサムチョンは、その時に会って、しばらくして亡くなられたのですが、生前、オモニがウェサムチョンに送った手紙の束を「読んでみなさい」と僕に見せてくれたことがありました。オモニはこのことを知らないと思うのですが、手紙を読んで、オモニのイメージが変わりました。それまで「愛国」とかいう言葉とは結び付かなったのですが。
昨日、日本人の学生とも話していたのですが、最近「NHK」が帰国事業に関するドキュメンタリーを流していたみたいですが、もちろん悔しい思いをした人たちもいるだろうし、それを全面否定したりはしないけれど、日本のマスコミがいつもそういう暗い部分だけをクローズアップすることには辟易としています。
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