誰もが活躍できる同胞社会を目指して
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在日本朝鮮人権協会
性差別撤廃部会会長
李全美さん
プロフィール
- 1981年6月生まれ
- 茨獨協大学卒
ペ・ポンギさんの証言が「新報」に紹介された日
金淑子今年の「4.23アクション」には多くの方が参加したと聞きました。二日目に演劇「キャラメル」を見に行った時も満席でした。
李全美4.23は解放後沖縄で暮らしていた日本軍の従軍慰安婦制度の被害者・ぺ・ポンギさんの証言が初めて「朝鮮新報」に紹介された日(一九七七年)です。
今回のアクションは四回目でした。一回目は外務省前でのスタンディングアクションという形で日本軍慰安婦制度の被害者たちの証言を読み上げたのですが、朝大生はじめ若い同胞たちがたくさん集まってくれました。二回目は映画「記憶と生きる」(土井敏邦監督)の上映会をして、監督にも来ていただいてお話を聞きました。三回目の去年は、二〇一六年の「日韓合意」がいかに不当なものであるかを改めて整理しようということで、シンポジウムを開きました。ペ・ポンギハルモニの研究をしているキム・ミヘさんに来ていただいて韓日合意の問題点、共和国被害者の証言を紹介したのですが、百五十人ほど集まりました。予想以上に多くの参加者に、手ごたえを感じました。日本軍性奴隷の問題に関してはあちこちでシンポジウムが行われているのですが、総連の中では行われていませんでした。私たちがやることで、私たちの仲間が来てくれるのだということを実感しました。
三回目に自信を得て、今年は普段特に関心がない人たちにも呼びかけようとアートや演劇をテーマにしました。今回、会場に大きく展示し、チラシなどにも使った絵は神奈川朝鮮中高級学校の美術部生徒の作品です。去年四月、熊谷俊人千葉市長が「従軍慰安婦の絵があり、解説で日韓合意を否定しているなど、目的に反する」として美術展への補助金打ち切りの口実となった作品でした。(本誌43号参照)こうして被害者の声をいまだに踏みにじろうとする日本政府にアンチテーゼを送りたいという思いから、今回はアートという方法を用いました。二日間にわたって約四百人の方が来てくださって、意義があったのではないかなと思っています。
金日本軍慰安婦制度に関する活動が多いのでしょうか?
李「4.23アクション」はそうなのですが、「慰安婦」問題は、日本の植民地支配と、階級、ジェンダーの問題という三つの要素を絡めて初めて語れる問題です。被害者が体験した被害も甚大なのですが、それを口にできなかったジェンダーの問題も重大です。例えば被害者の家族が、被害者本人が名乗り出ることを止めたり、被害について語ってほしくないと思ったりする社会、その社会を作って来た一員として、私たち一人ひとりの責任も問われています。そういう意味では複合的な差別の問題だと言えます。
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